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R ethical Journal エシカルジュエリーを、New Yorkから考える

エシカルジュエリーを、New Yorkから考える

エシカルな素材を調達の基本としたサステイナブルなジュエリーが世界的に一つのスタンダードになっています。地球に暮らす私たちにとって、もっと生きやすい社会のために、もっと環境に優しい未来のために、米国ニューヨークでは、エシカルであること、持続可能であること以外の選択肢はないほどに浸透しています。

エシカルジュエリーに対する世界的なアクションと、それを追求することが、現代を生きる私たちにとってどのように大切なことなのか考えてみたいと思います。

■「エシカルジュエリー」は世界とジュエリー業界との共通の関心事

「エシカルジュエリー」とは、人や環境に配慮して作られたジュエリーのことです。サプライチェーンの透明性とも捉えられます。

これまでのジュエリー製造は、環境破壊や公害といった、深刻な問題の上に成り立っていました。例えば、金を採掘する際、鉱山にダイナマイトを仕掛けて爆破させます。また、金の抽出や製錬に使用される水銀やシアン化合物は地下水を汚染し、環境だけでなく取り扱う労働者の健康被害をも脅かしています。

2000年頃から、世界のジュエリー業界は、自然や人の命を危険に晒すことをやめ、倫理的な枠組みにそったジュエリーの製造に動き出しました。世界最大規模のデビアス社を頂点に、先進的な大企業が、それぞれにダイヤモンドやゴールドの調達方法の指針を示し始めます。こうした新たな取り組みは、企業の成長性も含めた幅広い意味における持続可能性として、消費者もそれを求めている結果として大きな時代のうねりとなっています。

国連が掲げているSDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)が目指しているのは、人権や貧困、飢餓、公害、天然資源など、さまざまな問題を解決することによって得られる、社会と環境、そして経済の調和が取れた世界です。

金属や宝石の採掘に従事する人に、適切な労働条件の下で働いてもらいたい、自然を汚すことなく素材を得たい、エシカルな過程を経たジュエリーを消費者に届けたい、と考えるジュエリー業界と、SDGsの願いは共に「人と自然が共存する美しい未来」。自然の恵みを受け取り、地球との繋がりを感じることで、きっと人は自然に生かされていることを感じるはず。多様性が地球の豊かさを守り、循環していく。その一部として人間が、自然の恵から恩恵を受けてゆく。そして地球は蘇生を繰り返し、その生きとし生かされるものたちが織りなって、調和を保っていく。つまり、サステイナブルジュエリーを求めることは、私たち自身が、この世に存在する多様性を認め、あらゆる存在が幸せを享受することに繋がるのです。

■サステイナブルジュエリーに対する世界的な取り組み

サステイナブルジュエリーの普及を牽引しているのが、大手ジュエリーブランドです。自然環境を脅かすことなく、誰かを不幸にすることなく、具体的にどんな活動をしているのか事例をご紹介したいと思います。

【ティファニー】

アメリカの大手ジュエリーブランド「ティファニー」。サステイナブルな取り組みは早く、1995年、イエローストーン国立公園の自然を守るため、アメリカ内務省に金鉱山建設反対を申し入れたことは有名な話です。

2000年以降は、ティファニー財団を通してジュエリー事業を超えた幅広い範囲でのサステイナビリティ推進に取り組んでいます。ダイヤモンドの調達は企業保有の鉱山から採掘、研磨とプロセスを踏んでいます。

【ブシュロン】

フランスの老舗ハイジュエリーブランド「ブシュロン」は、ジュエリー業界のサステイナブルな活動を推進する「Responsible Jewelry Council(RJC、責任ある宝飾のための協議会)」の会員です。

RJCのルールに従い、キンバリー・プロセスで保証されたダイヤモンドを使用しているほか、2014年からは「フェアマインド認証ゴールド(採掘から取引まで倫理的プロセスを踏んで取り扱われたゴールドのこと)」を積極的に採用しています。

【ミキモト】

日本のハイジュエリーブランドとして世界的に名前の知れている「ミキモト」は、1893年に真珠の養殖に成功して以来、真珠の保護に力を入れてきました。現在その活動は良質の真珠の供給を超え、海洋資源の保護や海洋汚染の防止にも繋がっています。

2009年には「ゼロ・エミッション型真珠養殖場」を掲げ、真珠を養殖する際に出る貝肉や貝殻といった廃棄物の再利用を進めています。

■サステイナブルジュエリーが現代を生きる私たちにもたらすもの

古来よりジュエリーは豊かさの象徴、美しさのために人々の生活に身近な存在でした。生きていくために食べるもの、身につけて暖を取るものという必需品とは違った、万物神羅現象の象徴であり、人の想いを表現するものとして文化の中に溶け込んでいます。

暮らしの中で触れるもの、食するもの、身につけるものを、より持続可能な方向へシフトしていく価値観は世界的に広がりを見せていて、ジュエリーもその一つとして生産の背景にフォーカスする人が増えました。ニューヨークでは、目にするプライベートなブランドも含め、そのほとんどがクリーンな調達方法を示しています。地球上のリソースを活用しながら、この地球で暮らす私たちにとって、現代こそ、ジュエリーとの付き合い方がより深いものへ進化してきたのでしょう。

社会がますますデジタル化していく時代に、天然素材の美しさを活かし、丁寧に作られたジュエリーを身につけてみてください。この地球が、未来へとずっと続いていくように、きっと母なる大地の温もりを感じていただけるはずです。

サステイナブルジュエリーを選ぶというパーソナルな行動は、身につける人の外見や内面の美しさをそっと引き出すだけでなく、ジュエリー業界に気づきを与え、その発展をグローバルな目標達成へ引き上げてくれるものです。

大転換機と言われるほどに価値が多様化し、地球が変化の局面に立たされている現代こそ、自らの一つ一つの選択にどんな意味があるのかを考え続けていく。そして近視眼的な視点から離れ、未来とどのように向き合っていくのかの根源的な問いをやめないこと、これが「グローバルな視点を持ち、ローカルに行動する」現代の私たちが見つける一つの指針なのかもしれません。

■R ethicalの「グローバルな視点を持ちローカルに行動する」ことについて

地球が永い年月をかけて育んできた天然石やゴールドは、素朴でゴツゴツとしています。その素材を、人の手を何度も往復させて、研磨、仕立てを通してジュエリーになると、滑らかで華やかな輝きに変わっていくものです。

そのプロセスはまるで「希望のかけら」だと、わたしたちは再定義をしました。様々に複雑な未来の中で、一つの灯のように寄り添うジュエリーは、複雑な現代に生きる私たちにとって、未来へ進んでいける一つの希望ではないでしょうか。

地球の環境、経済、食糧、エネルギーなど世界が抱える問題に対して、持続可能であることを追求すれば自ずと私たちの暮らしも変えていかねばなりません。地球を見渡すと、途方もないほど社会問題、環境問題が散りばめられています。そこで一つ一つの暮らしをしている人間も、傷つきながら、平和の中で生きたいと願うものです。持続可能な考え方は、国籍も、性別も、そして時代を超えていく普遍的な価値観そのもので、そして根底にある。より良い未来を目指そうとする気持ちは全て繋がっているものではないでしょうか。

R ethical アールエシカルは、2013年に日本で初めてフェアマインド認証ラベルの使用を認められたこと、そして、日本の文化を世界に向けて発信していることを誇りに思います。小さな問いをやめないこと、そして地球環境を汚さない、傷つける人を作らないという真の美しさを追求していくことを目指し、自らの行動をエネルギーにかえて進んでいきたいと思います。

R ethical Founder, Mari Hoshi

「R ethical Journal 優しいダイヤモンドジュエリーの未来」記事はこちらから

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