「メイド・イン・ジャパン」と聞いて、私たちは何を想像するだろう?
品質の良さ、素材の確かさ、または洗練されたデザイン性。
R ethicalが、なぜメイド・イン・ジャパンにこだわり、どんな想いでお客さまにジュエリーを届けているのか。ジュエリーづくりの背景にあるストーリーの一部を、お届けします。
■日本のジュエリーづくりの中心、山梨県甲府市と職人さんの減少
美味しい葡萄や梨で有名な山梨県甲府市。
R ethicalのジュエリーの半数は山梨県甲府市で作られています。
(残りの半数は東京の職人さんです。)
日本の宝飾市場に出回るプロダクトの30%以上が甲府市で生産されてるのをご存知ですか?
江戸時代に甲府市で水晶が採掘されたことから、研磨する研磨職人、それを装身具(かんざし、根付け、帯留)に製作する職人さんが育っていったのが始まりです。
大正時代に水晶飾りに代わって、初めて金の指輪となる飾り製品を作り始め、それ以降、貴金属工芸技術が盛んになったようです。
国内ジュエリーの小売市場規模は、ピーク時の1991年に3兆円を超えていたものの、その後は長期低迷傾向が続き、現在ではは1兆円以下まで減少しています。
必然的に、市場の規模が小さくなったこと、安価な海外での生産が主流になったことで、職人さんも減り続け、「伝統技術が継承されにくい」という声を聞くようになりました。
■伝統技術が継承され、職人さんが誇りに思えるジュエリーづくりを
R ethicalが制作をお願いしているのは山梨や東京の職人さん。男性も女性も、また年齢も若い方からベテランさんまでいらっしゃいます。
宝飾品の制作や石の研磨はとても地味で繊細なプロセスの連続です。研磨材が跳ねることで、顔や手を青くしながら磨き続けることもあるそうです。また、とても細やかでミクロ単位の、目を酷使することが避けられないお仕事のため、年齢を重ねても長く職人として活躍することが非常に大変だといいます。
景気の影響で辞めざるを得なかった職人さんのお話をうかがうことも多く、次世代を育てることが難しいために衰退してしまう技術もあると聞きます。実際に、過去に作られたジュエリーの制作をお願いしたくても、「研磨職人がいなくなってしまった」という理由で断られてしまうことも何度もありました。
R ethicalは名前のとおり、エシカルな(倫理的な)活動を軸としているジュエリーブランド。フェアマインド認証ゴールドの取扱いを含めた素材の調達のプロセスにおいて、倫理的な観点で最大限配慮することに加え、製作する方たちに正当な対価が支払われること、彼らが誇りに思える仕事であること、そして伝統技術が継承されていくことも、とても大切なことと考えています。
◼︎スピーディで大量のものから、スローで唯一無二の世界へ
「全てのビジネスは利益の最大化と経費の削減、その間にある利益を投資することで新たなる価値を産み出す」という原理原則があります。
ファストファッションに代表されるように、スピーディーで洗練されたデザインを大量に販売する、というビジネスモデル。より多くの方に、より沢山、そして早くお届けする。そのために海外に生産拠点を移し、同じオペレーションで、同じ品質のものを安定した工程で用意する。世界規模のビジネスとして生き残るには大切な要素かもしれません。
一方、R ethicalが目指す「ハンドメイドを誇るジュエリーづくり」は、そうしたビジネスモデルの反対側にあると考えています。オーダーメイドやブライダルジュエリーをおつくりさせていただく際には、お客様の心が躍るようなお素材、ダイヤモンド、天然石をそろえ、一つひとつの石の声を聞くように、対話をするように一点をお選びする。そして、お好きなセッティングにオーダーを承る。その”世界に一つだけのオーダー”を、職人さんが丁寧に形にしていく。
リングの槌目(ハンマリング)の度合い、頻度、深さを変えたり、最後のフィニッシュの仕様を細やかに変えたり。留め方、長さ、テクスチャー。細やかな作業のプロセスを、合理的に重ねていくと、世界に一つだけのジュエリーのお仕立が完成します。
ほんの0.1mmの違いが大きな違いとなる。
ほんの打ちの強さで印象が変わる。
留め方次第で重厚感に変化が出る。
ジュエリーをお届けする者として「心から素敵だと思えるもの」というのは、量産で実現できるものではなく、そして遠隔で操作できないことを感じています。だからこそ、わたし自身、何度も足を運び、直接対話をすること、何度でも細かな調整を重ねて、やっと理想を形にできるものだと思っています。この作業は、雪山を一歩ずつ登って頂上を目指すような、自分へのプライドにも似た、良いものづくりへの執念のひとつかもしれません。
ジュエリーを製作してくださる職人さんへの敬意を込めること。
彼らの持つ伝統技術が発揮されるデザイン、そしてそれが続いていくジュエリー。より近くで、より綿密なコミュニケーションを大切することで、R ethicalがお届けできるジュエリーになる。
それは職人の伝統技術をたっぷりと詰め込んたもので、大量生産、大量消費にはない、美しく、パーソナルなもの。私たちはこのプロセスを、R ethicalの本質的な拠り所として誇りに思っています。
2019年1月4日
R ethical 代表デザイナー
R Jewels Japan株式会社 代表取締役 星まり
〜R ethical (アール・エシカル)について〜
ミニマムでエレガンスなジュエリーを得意とするR ethicalは、エシカルゴールドK18を中心的に、世界各国から集まる天然石の美しさを最大に引き出しています。
結婚指輪(マリッジリング)・婚約指輪(エンゲージリング)もラインナップ。
R ethicalは、「人生に寄り添う特別な存在であるジュエリーを通じて幸せの循環を作りたい」という想いから、素材には、コンフリクトフリーのカナダ産ダイヤモンド、Alliance For Responsible Mining(公正な採掘のための連盟)を通じたフェアマインド認証ゴールド、リサイクルプラチナを素材に用いています。
ハンドメイド、ハンドフィニッシュで結婚・婚約指輪をお作りしています。細かい仕様におこたえしたり、ご自身のデザインでフルオーダーなども承っています。細やかなご要望にお応えしておりますので一度ご相談下さいませ。